試用期間中の解雇

試用期間とは、新規採用した労働者の人物評価、能力評価並びに適格性等を判断し、本採用
するか否か決定するための期間ですが、一般的には2〜3箇月が多いとされています。

この試用期間は最長何箇月までといった法、規定、規則はありません
しかしながら試用期間は長くなるほど労働者にとって不利ですので、不必要・不合理に長すぎると
きは無効とされています(名古屋地裁昭和59年3月23日)。
また試用期間の雇用関係については判例上、解約権留保付労働契約としています
(最高裁昭和48年12月12日)
すなわち、新規採用時はその労働者が適格性を有するか否か判断できないので、一定期間内におい
て当該者を観察し、本採用するかどうかの決定が使用者に留保されている契約です。
従って、試用期間を決定する場合は、すべての企業において一律に○箇月であれば可といったもの
ではなく、各業種により適格性を判断するにあたりどれくらいの時間を要するのか、その特殊性等
を鑑み判断されることとなります。

これまでの判例では試用期間1年を有効としたものもありますが、長くても6箇月程度が妥当と思われます。
あまりに長いと逆に労働者の適格性を判断するのに1年もかかるのかといったような企業の判断力に疑問を
つけられるかもしれません。


 トラブル予防のためのポイント
さて、試用期間中の解雇についてですが、試用期間は上記のように解約権留保付労働契約とされて
いますので試用期間中の解雇はいつでもできそうですが、そうではありません
もちろん本採用後の解雇よりも広い範囲で認められますが、客観的に合理的理由が必要です
(最高裁昭和48年12月12日)
すなわち、試用期間中に解雇するのであれば当該者に的確性がないことの根拠が必要です。
単に、当該者はわが社の社風に合わないといった抽象的なものでは認められません。

なお、試用期間中に解雇する場合であっても14日を超えて使用した場合、解雇の予告あるいは解
雇予告手当が必要です(労働基準法第20条、第21条)